メジャーリーグ、ロサンゼルスドジャースで活躍中の山本由伸投手が6月17日、右上腕三頭筋の張りで緊急降板し、15日間の負傷者リスト入りが発表されました。
山本由伸投手の故障の程度や復帰までどれぐらいの期間を要するのかが気になります。
渡米1年目にマウンドやボールの違いに苦しみ、故障離脱をしてしまう日本人投手は多いようです。
今回はこれまで渡米後に故障離脱した日本人選手やその原因、山本由伸投手の復帰までの期間を検証しましたのでどうか最後までご覧下さい。
メジャーリーグで日本人投手に故障が多い理由は?
日本人投手が渡米後すぐに故障をする理由は次のような要因が多いとされています
滑りやすいボールや硬いマウンド
メジャーリーグの公式球は馬革で滑りやすく、サイズも重さも大きいとされています。
マウンドが固い、ボールが滑りやすいと、手元が狂う原因になります。
そのため投手は、すっぽ抜けないように投げる瞬間にどうしても強くグリップしてしまいます。
それにより腕や肘に大きな負担がかかり。
さらにはMLBの強打者相手では知らず知らずのうちに力が入ってしまうことも考えられます。
そうして無意識のうちに出力過多が重なり大きな故障につながると思われます。
登板間隔の短さ(中4日)
ダルビッシュ有投手は中4日は絶対に短いと持論を展開されていました。
中4日は絶対に短い。投球数はほとんど関係無い。
120球、140球と投げても中6日あれば靱帯の炎症もクリーンになる。
MLBでは投手を守るべく、100球の投球制限を設けてはいるが、中4日という短い登板間隔でローテーションで1年間登板を続けていくのは投手にとっては非常に大きな負担になります。
疲労回復、肩、肘の保護に必要なのは投球数では無く、登板間隔が大事なのはデータから見ても明らかだが、少しでも多くの試合数を投げさせたい球団側と、登板数を稼ぐことで年俸を稼ぎたい選手側…
登板間隔の短さは今後MLBでも議論されていくのか注目していきたいですね。
昨年から導入されたピッチクロック
MLBが試合時間短縮の為に昨年から定めたピッチクロックの概要は以下の通り
走者がいない場面では15秒、走者がいる場面では18秒以内に投球動作に入らないといけない。
しかし、これに対しMLB選手機構は「回復時間が短くなったことっで体への影響は深まっている。」との声明を発表しました。
大谷翔平選手もピッチクロックにおける負担増を以下のように指摘されています。
ベストの球を投げ続けなければならない。
軽く投げていくシチュエーションは先発投手でも少ない。
ピッチクロック導入に伴い選手の故障が増えている現状を踏まえ、試合時間が短縮され、それと同時に選手の保護もしっかりされるようなルール作りがされていくことを願います。
これまでに故障離脱した主な日本人投手
松坂大輔
2007年に渡米した日本のエース松坂大輔投手。
メジャー3年目の2009年頃から故障が増え始め、2011年にトミージョン手術を決行。
手術後復帰はしましたが、その後も故障が相次いだこともあり、かつての輝きを取り戻すことは出来ず、2021年に惜しまれつつ引退しました。
藤川球児
火の玉ストレートの愛称で知られる藤川球児投手。
魔球と称されるストレートを武器に2013年に渡米しましたが、渡米1年目の5月に早くも肘の故障に泣かされ、トミージョン手術を受けました。
手術の影響か、アメリカでは大きな活躍は出来ませんでしたが、日本球界復帰後は速球で相手をねじ伏せる往年のスタイルで多くのプロ野球ファンを魅了してくれました。
ダルビッシュ有
ダルビッシュ有投手は2015年にトミージョン手術を受けた影響でシーズン全休となりましたが、復帰後は懸命の努力でさらなる進化を見せ、36歳の時に6年総額約142億円という超大型契約を結びました。
37歳になった現在もさらなる進化を見せ、今年の韓国ソウルで開催された大谷翔平選手率いるドジャースとの開幕戦も大きく盛り上がりました。
前田健太
前田健太投手は2021年9月にトミージョン手術を受けました。
日本でもマエケン体操でしられる独特のストレッチを行い、これまでは怪我とは無縁の前田健太投手でしたが、やはり蓄積疲労やMLBのマウンドやボール、登板間隔等が影響したのか右肘が悲鳴をあげてしまいました。
しかし、底抜けに明るい性格が特徴の前田健太投手は「 肉体改造に取り組む絶好の機会 」と捉え、懸命にリハビリに取りにくみ、現在はデトロイトタイガースで復帰しています。
前田健太投手の日米通算200勝達成に期待がかかりますね(現在日米通算163勝)。
大谷翔平
二刀流で大活躍する世界的スーパースター大谷翔平選手。
大谷翔平選手は渡米1年目の2018年にトミージョン手術を受け、2023年9月に二度目のトミージョン手術を受けています。
二刀流の体への負担はやはり大きいのか、大谷翔平選手は2019年に膝の手術も受けていますが、年々進化を遂げており、活躍はご承知の通りです。
2024年シーズンは打者専念のシーズンとなっていますが、ホームランを量産しており、キャッチボールも再開しているようなので術後順調に回復していることが想像されます。
山本由伸は復帰までどれぐらいかかる?
山本由伸投手の状態と復帰までの期間が気になります。
山本由伸投手のコメント
今週多少感じていて、多少良くなったので今日の試合に登板することになった。
感覚的にはそんなに長くなるような感覚ではないと思います。
ロバーツ監督のコメント
次のステップは医師と相談することになる。
我々は危険な状態と感じたら下げさせることはしない。
両者のコメントを見る限り、重症では無いことが予想されましたが、翌日の精密検査の結果、右肩腱板損傷と発表されました。
山本由伸投手は2週間のノースロー調整を行うとロバーツ監督より発表がありました。
腱板損傷は軽いものから重いものまでありますが、また山本由伸投手の快投が見られる日を楽しみに待ちたいと思います。